2024年5月17日 大日向小中学校を視察

2024年5月17日 大日向小中学校 を訪問しました。

 長野県佐久穂町にある学校法人 大日向小学校・中学校に視察にうかがいました。こちらは、日本で初めてのイエナプラン教育を行う学校です。イエナプラン教育、聞いたことがない方もたくさんいると思います。特徴としては、子ども達が自分で計画を立てて自分で学びを進めていく「ブロックアワー」や、椅子を丸く並べて話し合う「サークル対話」、異年齢で構成される教室、子どもたちが興味を持った身近な事柄や地球規模のことについて、グループで協力しながら探究的に学習する「ワールドオリエンテーション」などがあります。

 私がイエナプランに興味を持ったのはこちらの学校の開校前の2016年です。日本にもイエナプランの学校ができると知った時は期待でいっぱいになりました。
 文科省による学習指導要領にも「個別最適な学び」「協働的な学び」の重要性が書かれていますが、この方針にもぴったりの教育だと感じています。

視察は、基本的に学校内のどこでも自由に見て下さい、という形式でした。個々に学習を進める時間には、それぞれの子が計画に従って各教科を勉強しています。場所も教室、図書室、職員室、廊下のベンチなど様々。個別に学びを進めるということはどういうことなのか、それが学年が進むにつれてどのように発展していくのかということを、目の当たりにすることができました。また、大人の声かけも特徴的だと感じました。「どうしたい?」「どう思う?」と子どもに問いかける言葉がとても多いのです。子どもに考える時間を与え、考えを引き出す関わり方はとても大切です。この学び方が万能というわけではありませんが、板橋の学びの選択肢の一つとして、その要素を取り入れていきたいと思いました。

大日向小中学校は教室の作り方も特徴的です。小グループで学習するための机、作業用のテーブル、指導用のテーブル、読書コーナー、PCコーナーなど。写真の公開ができないのが残念です。視察に行った日の中学校のクラスには、積み木「カプラ」で作った大きな作品がありました。通常の中学の教室ではなかなか見かけない様子です。

視察の時間の最後は視察に来た方同士での対話の時間もありました。それぞれがどんなことを思って視察に来たのか、現在の標準的な日本の教育の課題などの話をしています。私は長く保育士をしてきましたが、イエナプランのやり方は幼児教育に近いなと感じています。乳幼児期は個々のペース、個々の関わりを大切にします。赤ちゃんに決まった時間しか排泄できないと言ってもそれは無理というもの。幼児期までは個々の発達に合わせながら少しずつ集団での活動ができるようしてきたのに、学校に入ると同じ時間に同じことをすることを求められる時間が圧倒的に増えます。「みんなで」も大切ですが「それぞれが」が急になおざりになってしまう印象を受けます。この大日向小中学校の学び方は、その辺りのバランスを上手にとった教育だと感じています。

イエナプラン教育の要素(単元内自由進度学習)を取り入れている、名古屋市立山吹小学校にも機会をとらえて視察に行きたいと思っています。

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