2026年第3回定例会の一般質問では、8月に区内を襲った局地的大雨(ゲリラ豪雨)への対策をはじめ、学校の防災・暑さ対策、不登校のお子さんがいるご家庭への支援、多子世帯のベビーシッター助成など、「現場の安全」と「制度の隙間」に関しての5つのテーマを区長および教育長に質問、提案を行いました。
政治は難しいと言われがちな区議会の議論ですが、すべては皆さんの毎日の生活や、子どもたちの安心・安全に直結するものです。 「なぜその質問をしたのか」「どんな狙いがあり、区はどう答えたのか」が一目でわかるよう整理しましたので、ぜひご一読ください。
局地的大雨から区民の暮らしを守る防災対策について
8月22日に区内で1時間120mm超の猛烈な雨が降り、床上・床下浸水や道路冠水などの甚大な内水氾濫が発生しました。しかし、現在の観測体制では道路の冠水をリアルタイムで把握できません。時間によっては下校中の子どもが巻き込まれる危険性があります。また、現行の止水板助成は高額な工事が必要で個人住宅にはハードルが高いのが実態です。
上記を踏まえて以下の質問・提案をしました。
- 東京都が掲げる時間当たり85mm豪雨対策インフラの進捗状況と今後の見通しの確認
- 国土交通省の「ワンコイン浸水センサ実証実験」への参加を含む、道路冠水用浸水センサ設置の推進
- 止水板設置工事助成の上限額・助成率の引き上げ、および工事不要な「簡易設置型止水板」の助成対象への拡充
- 120mm超の雨に対応する大規模インフラ整備には長い年数がかかるため、情報伝達や個人防護といったソフト面の即効策が不可欠であること。
- 安価な小型浸水センサならアンダーパスや住宅街へ多数設置でき、職員が見回らなくても危険箇所を遠隔把握・地図上で住民へ即時共有できること。
- 簡易型止水板は土のうより軽量で設置や片付けが容易であり、個人宅でも手軽に浸水を防げること。
大規模工事の完成を待つ間も、安価なセンサーによる早期通行止め・スマホへの情報発信と、導入しやすい簡易止水板の普及を進め、区民の命と家屋への浸水被害を最小限に抑えることです。
- 城北中央公園調節池や下水道幹線の増強など、大規模工事のため長期的な取組になるが着実に進んでいる。
- ワンコイン浸水センサの実証実験は把握しており、他自治体の事例や成果を注視したい。
- 止水板設置工事助成のさらなる利用促進に向けて前向きに検討する。簡易型止水板については、止水性能や転売防止などの課題があるため制度化について研究する。
学校の安全対策(小中学校の防災用ヘルメット配備)
各地で地震や学校火災が起きています。首都直下地震もいつ起こるか分からない中、板橋区の区立中学校には生徒・教職員用の防災ヘルメット等の頭部保護具が一切配備されていません。また、小学校で使用されている防災頭巾は地震の落下物に対する防御力が低いという課題があります。
上記を踏まえて以下の質問・提案をしました。
- 区立中学校の全生徒および職員への防災用ヘルメットの配備。(近隣区のような折り畳み式ヘルメットの公費支給など)
- 区立小学校において、従来の防災頭巾からより防御力の高いヘルメットへの移行・変更の検討。
- 小学校には防災頭巾があるのに、中学校に進学した途端に頭部を守る備えがなくなってしまう制度の空白。
- 幼少期から自転車用ヘルメットの着用に慣れている今の子どもたちの生活実態。
- 近隣の北区では、全区立中学校の生徒へ机横に収納できる折り畳み式ヘルメットを公費支給している先行事例があること。
授業や学校生活の最中に大地震が発生した際、小中学校を通じて子どもたちと職員の命を確実に守れる実効性の高い体制を確立することです。
- 現状は中学校職員・生徒用のヘルメット等は配備しておらず、地震発生時は直ちに机の下に入り頭部を保護するよう指導している。
- 小中学校における防災用ヘルメット等の配備については、学校の意見や要望を聞きながら公費負担の是非も含めて研究していく。
小学校の暑さ対策(つば付き紅白帽子への変更検討)
区立小学校の多くでつばのない紅白帽子が使われており、子どもから「眩しい・暑い」、保護者から紫外線や熱中症の心配の声が多く寄せられているためです。新1年生は入学時にセット購入して6年間使い続けるため選択肢がない一方、東京以外の地域ではつばのない帽子はほとんど見られません。
上記を踏まえて以下の質問・提案をしました。
- つばのない紅白帽子を採用している理由の確認。
- 紫外線対策や熱中症予防のため、各学校において紅白帽子をつばのあるものへ変更することを検討するよう要請。
- 保育園や幼稚園ではつば付き・日除け付き帽子が定着しており、子どももその安全性に慣れていること。
- つば付き帽子への変更は、区の新たな予算を必要とせず、保護者の負担も急増しない(学校側の選定ルールの見直しだけで即実現可能)こと。
- マット運動などでの懸念はあるものの、全国的に普及しており安全面で大きな問題が生じる心配がないこと。
莫大な予算をかけることなく、学校のルールを少し見直すだけで、猛暑の中で活動する子どもたちの健康と安全を身近な工夫ですぐに守ることです。
- つば付き帽子は暑さ対策として有効と認識している一方、マット運動等での動作への配慮や安全性を踏まえて各校が選定していると認識している。
- 児童の安心・安全に配慮した教育活動を行うことを踏まえ、検討する機会を持つよう各学校に伝えていく。
不登校で給食を利用できない子どもたちへの支援について
学校給食費が無償化される中、アレルギー疾患でお弁当を持参する家庭には給食費相当額が補助されている一方、同様に給食を利用できない不登校の児童・生徒には補助がありません。登校の見込みが極めて低い家庭やフリースクール等に通う家庭から強い要望が寄せられています。
上記を踏まえて以下の質問・提案をしました。
- 不登校により長期間学校給食を利用できない児童・生徒に対し、給食費相当額の補助を実施することの提案。
- 登校できた日のために給食を維持したい家庭がある一方、全く食べられない家庭への支援がなく不公平が生じていること。
- 文科省の交付金要領において、やむを得ない事情(補助対象)としてアレルギー等と並び「不登校」が明確に位置づけられていること。
- 国や東京都の補助制度を活用できるため、区の独自財源の負担はごく少額で済むこと。
- 制度の隙間に取り残されている不登校家庭の経済的負担を減らし、給食無償化の恩恵をすべての子どもたちへ公平に届けることです。
- 登校時には給食を準備しているが、欠席時は提供できないため、公平性の観点で課題があることは認識している。
- 先行して取り組む他区の実施状況を調査し、支援方法や実現可能性について検討していく。
ベビーシッター利用料助成事業の適用拡大について
未就学児が複数いる家庭において、シッター会社側で対応可能であっても「シッター1人による複数名保育」では区の助成が受けられません。子どもの人数と同じだけシッターを手配すれば女性は受けれれますが、感染症流行期にはシッター2人を同時間帯に確保することが困難の時もあります。また、在宅勤務中に複数の大人が家に入ることに抵抗があるという意見もあります。
上記を踏まえて以下の質問・提案をしました。
- シッター1人による未就学児の兄弟姉妹の保育であっても、助成制度が利用できるよう適用範囲を拡大することを要望
- 障害児や病児・病後児の特例では1対複数の保育が認められているのに、元気な未就学児の兄弟姉妹で認められないという制度の不均衡。
- 人数分のシッターを手配できないために、助成や利用自体を諦めざるを得ない利用者の実態。
- 有資格者限定や利用時間の制限など、安全基準を設けた上での柔軟な緩和が可能であること。
- 多子世帯や共働き世帯の実情に制度を合わせ、手配困難や家庭の負担を解消して、本当に使いやすい支援事業にすることです。
- 区としても課題と認識し、制度改善を東京都へ要望してきた。
- 東京都において、保育士・看護師による自宅保育等の要件下で「満1歳以上の兄弟姉妹2名まで1人のシッターによる保育」を認める改正が行われるため、区としても10月から新たに助成対象とする予定である。
「声」を届けることが、街を変える第一歩
今回の一般質問では、ベビーシッター助成の複数児対応のように前向きな回答(10月からの対象拡大)を得られたものがある一方、学校のヘルメット配備や不登校支援、止水板の拡充など、まだまだ「研究・検討」という答弁にとどまっている課題も少なくありません。
しかし、議会の場で課題を浮き彫りにし、公式な記録として答弁を引き出すことは、制度を動かすための確実な「最初の一歩」です。
今回取り上げた5つのテーマは、すべて地域の皆さんや保護者の方からいただいた「現場の生の声」から生まれたものです。私ひとりの力では、気づくことができなかった課題ばかりです。
「うちの学校ではこんな暑さ対策をしているよ」
「うちの地域でも冠水が心配……」
「この制度、もっと使いやすくならない?」
そんな日頃の小さな違和感や困りごとがありましたら、ぜひお気軽に教えてください。 これからも現場主義を貫き、みなさんと行政をつなぐ「橋渡し」として、声を形にするために粘り強く取り組んでまいります!
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忙しい毎日の中で、長い議事録やレポートを読むのは大変ですよね。 YouTube『くまチャンネル』では、今回の一般質問のポイントや地域の最新ニュースをぎゅっと凝縮した「いたばし3分トーキング」などのショート動画を公開しています。
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